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桐山 博光
Recent Research Developments in Optics, Vol.3, p.155 - 171, 2003/12
チタンサファイアチャープパルス増幅(CPA)レーザーシステムの励起光源として2つのグリーンレーザーシステムの開発を行った。一つは高エネルギーグリーン光発生を目指したものであり、ペタワットクラスのチタンサファイアレーザーシステム構築のための要素技術開発として、CLBO結晶を用いた高エネルギーグリーンレーザーシステムの開発を行った。25-Jの高エネルギーグリーン光が74%の高い変換効率で得られた。もう一方は高繰り返しテラワットクラスのチタンサファイアレーザーシステムを実現するため半導体レーザー励起方式を用いたレーザーシステムであり、0.13-Jのグリーン光が1-kHzの高繰り返し動作で得られた。これらのレーザーシステムの実験結果の詳細について紹介するとともに、設計,スケール則などについて議論する。
加藤 義章
プラズマ・核融合学会誌, 77(2), p.138 - 139, 2001/02
本会誌のX線レーザーに関する講座として、Q&A形式で解説を行う。本稿は、「X線レーザーはどのように発展してきたか?」という質問に答えるもので、光レーザーの可能性が示唆されてから、X線レーザーが実現し、小型化されていった経過を解説する。
丸山 庸一郎; 鄭 和翊*; 加藤 政明; 丹羽 善人*; 松岡 史哲*; 的場 徹; 有澤 孝; 大場 正規
Trends in Optics and Photonics;Advanced Solid-State Lasers, 26, p.45 - 48, 1999/00
高繰り返しチタンサファイアCPAレーザーのポンプ光源として全固体Nd:YAGグリーンレーザーの開発を進めている。グリーンレーザーはシングルモード発振器、4パス前置増幅器、リング型2パス増幅器、波長変換装置より構成されている。発振器で発生するTEMのレーザー光は前置増幅器で増幅された後、リング型2パス増幅器でさらに増幅される。これらの増幅器は高いビーム質を維持するために互いに像転送光学系で結合されている。増幅されたレーザー光はもう1台の像転送光学系で波長を緑色に変換するための波長変換装置に転送される。波長変換用の非線形結晶には熱特性に優れたKTP結晶を2個拡散接合したものを使用した。接合した2個の結晶はお互いに約4分の位相ミスマッチが観測されたがこれはKTPの許容角度に比べて十分小さい。基本波のパルスエネルギーは繰り返し100Hzで2.1Jで、これを拡散接合したKTP結晶に入射することによって1Jの緑色光が発生でき、波長変換効率として約48%を得た。また緑色光の出力安定性は1%と安定であった。さらにパルス幅は約70nsとなりチタンサファイア結晶のポンピングに最適な長さが得られた。
赤岡 克昭; 原山 清香; 鄭 和翊*; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Solid State Lasers VII, 3265, p.219 - 225, 1998/00
シャックハートマン型波面センサーとバイモルフ型デフォーマブルミラーにより構成されるクローズドループ波面制御システムを構築し、超短パルスチタンサファイアCPAレーザー光の波面制御を行った。その結果、波面の乱れの二乗平均(RMS)と最大と最小の差(P-V)は元の波面の1/5まで低減することができた。また、この時のレーザー光の集光強度は元のレーザー光の5倍となっていることがわかった。
的場 徹
Isotope News, (521), p.18 - 19, 1997/10
原研・光量子科学センターにおける最近の成果であるピーク出力10テラワット級で世界最短パルス幅である16.6フェムト秒の極短パルス・超高ピーク出力レーザー光の発生に成功した内容について一般読者を対象に解説し、あわせて原研における光量子科学の研究開発の展開について紹介する。
宅間 宏
Proceedings of 1st International Conference on Superstrong Fields in Plasmas, p.509 - 515, 1997/00
最近のCPA増幅によるレーザー技術の進歩によって、実験室規模の装置によって従来核融合用巨大システムでしか実現できなかったような100TW級以上の出力が通常の実験室規模の装置によって発生可能となり、またパルス幅もフェムト秒程度に短くすることが可能となっている。このような条件での光とプラズマの相互作用では、相対論的な効果や、電子だけにエネルギーが注入されるなど、従来見られなかったような新局面が展開され、その結果高強度のX線の発生やプラズマ中に長いチャンネルと作る光の伝播,光による電子の高エネルギー加速、さらには精密加工や医療など広範な基礎領域・応用領域で画期的な展開が期待される。原研の光量子研究計画は、このような新領域を総合的に開拓しようとなるもので、極短パルス幅・コンパクト化を特徴とする超高強度レーザーの開発,X線レーザーやレーザー加速への応用研究を中心とし、さらにそれらの結果を共同研究によって広範な領域に応用使用とするものである。すでに9.6TWのピーク出力を世界最短幅16.6fsで発生することに成功し、さらに100TW, 20fsの発生が本年中に達成される見込みである。
森 道昭; 桐山 博光; 宮坂 泰弘; 岸本 牧; 小瀧 秀行; 林 由紀雄; 神門 正城; 近藤 公伯
no journal, ,
レーザー駆動粒子ビームをさまざまな応用に展開していく上でその制御性・安定性向上は重要な課題である。この制御性向上には、励起源のレーザーの安定性の向上が必要であり、特に高次分散補償はパルス時間波形の安定化において重要である。本研究では、ASEペデスタルの大幅な抑制と、高次分散補償によりシャープな立ち上がりの両立を目的とする補助圧縮による高次分散補償に関する研究を行い、その効果について実際の導入を通じてその検証を行った。本講演では、これらの結果とその考察を中心に発表を行う。
森 道昭; 桐山 博光; 宮坂 泰弘; 岸本 牧; 小瀧 秀行; 林 由紀雄; 神門 正城; 近藤 公伯
no journal, ,
高次分散補償は、古くから研究が進んでいる。しかし、その多くは設置場所がフロントエンドに限られる事から、ASEペデスタルの抑制で不利である。本研究では、ダメージ閾値の観点で有利なグレーティングパルス圧縮器を補助圧縮に用いることでASEペデスタルの抑制と高次分散補償の両立を狙い、10TW級チタンサファイアレーザー装置JLITE-Xを用いてその検証を行った。その結果、良好なASEペデスタル(1e-7)をキープする形で高次分散補償の影響が顕著となる0psから数10psまでの領域で改善を確認した。特にピーク(0ps)から-1psにかけて急峻性の改善が著しい。本講演では、この結果を中心に今後の計画を含めて報告を行う。